第2回では、「取り敢えず採用することは危険である」という話をしました。ではどのように採用を行うべきなのかについて広告・マーケティングをヒントに書きます。

大まかに分けると次の3つに分けてマーケティング戦略を考えます。

①現状と理想について確認する

②ターゲットを決める

③施策を考える

①現状の課題と理想について確認する

まず現状と理想について確認することから始めます。

現在何名不足しているのか、どの様な施策をこれまで行ってきたのか、介護業界の中で法人がどの様なポジションにいるのかを改めて俯瞰します。

次に何人がいつまでに採用ができれば良いのか、理想を設定します。

現状の把握と理想設定を行うことで、ギャップが見えてきます。例えば新しい施設のオープンが○年後だから○人必要だの様な感じです。

またこれまでの施策で問い合わせが100件あったら実際に説明会に来るのは80人、説明会に来て実際に応募してくれるのは60人、応募してくれた中で実際に内定を出すのが50人、内定を承諾するのが40人、実際に入職するのが38人など。採用プロセスで何人脱落していくのかを確認します。そうすることで目標人数に対し、何人の問い合わせが来るように戦略を練ればよいのかをおおよそ把握することができます。

②ターゲットを決める

次にターゲットの決めます。①の部分の理想について確認する時に同時に決めても良いのですが、大事な部分なので独立させました。

施策を決める為にどの様な人材をこれから採用したいのかということを明確に決めていきます。広告を制作する際に考慮するのは次の様な項目です。

デモグラフィック

  • 年齢
  • 性別
  • 所得
  • 家族構成
  • 職業
  • 学歴
  • 居住地

サイコグラフィック

  • 価値観
  • 性格
  • 思い込み・固定観念
  • 悩み
  • 喜怒哀楽
  • 願望・欲求

広告を制作する場合、PRしたい商品やサービスを考慮し、どの様な人に対し施策を行うのか決めます、またペルソナという架空の人物像を決めることもあります。

募集する時の条件として求職者に向けそれぞれの項目を書くということではありません。あくまで、施策を考える時の材料です。

沢山要素がある中で採用の場合には特に価値観と性格を重要視するべきだと考えます。

勿論経験や資格の有無なども大切かもしれません。しかし経験は入職後に研修や実務を通じて積むことができます。また資格も取ることができます。しかし、性格や価値観を変えるのは難しいのではないでしょうか。いくら資格や経験があっても施設のケアの方針と合わなければ、働いている本人も周りの人も働きにくいものです。「採用された本人が離職するリスク」と「新しく職員を迎え入れた側が離職するリスク」が生じます。ですので、教育・研修の体制がある程度しっかりとしていて入社後に採用した方の能力を伸ばすことが可能であるならば経験や資格の有無というのはさほど重要視しなくても良いのではないでしょうか。逆に価値観が合わない人は採用しないことも大事なことだと思います。

上記の項目をそれぞれ考え、更にその施設や法人において必要な要素を明確にします。

また、働いている職員の方が持つ雰囲気や能力、行動の特性も洗い出すことで入職後に活躍できる人か否かを見極めやすくなるのではないでしょうか。

例えば「誰かの為にという気持ちを持っている」「自分で考えて行動ができる」と価値観や行動特性などを明確にしておくことで実際に面接などを行った際にも選考を行いやすくなるのではないでしょうか。

次回、第4回ではマーケティングで実際に使用している行動モデルを使用し戦略を立てていきます。

連載「介護の採用は希望で溢れている」

【第1回】介護の採用は希望で溢れている~実はチャンスが多い?介護の採用〜

【第2回】介護の採用は希望で溢れていると思う~採用における危険な思考~

前の記事、後の記事

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