第1回では、「介護業界の採用は実はチャンスがあるのではないか」ということを申し上げました。
今回は避けるべき採用に関する思考についてお伝えします。
人手不足を理由に取り敢えず採用するのは止めましょう
採用に関する思考について絶対に避けるべきことは、「人手が足りないから応募してきた人を取り敢えず採用すること」です。
人手不足の介護の業界でこれをやっていけない理由は「採用された本人が離職するリスク」と「新しく職員を迎え入れた側が離職するリスク」を同時に抱え込むことになるからです。
前者の「採用された本人が離職するリスク」というのは想像に難くないでしょう。既にコミュニティが形成されている中に入り馴染めなかったり、新しく入職した職員と施設のケアに関する方針などに温度差があったりと・・・
職場や一緒に働く人との相性を考えずに採用することで離職してしまうというリスクが発生します。
後者の「新しく職員を迎え入れた側が離職するリスク」です。
こちらは一見落とされがちなリスクなのではないでしょうか。「迎え入れる側が辞めるリスク」とは言い換えると、戦力の補強の為に迎えた人材が既存の職員・採用担当者・上司をすり減らすリスクのことです。後者のこっちに特に気をつけていただきたく、この記事を書きました。
例えば研修の為に時間を消費したのにすぐに離職。すると研修にかけた時間は浪費してしまったことになります。人材紹介会社を通じて採用を行ったのならコストも馬鹿になりません。
また採用担当者も活躍してくれると思い迎えいれた人材が期待した働きをしてくれない場合や、すぐに離職しまう場合。これも採用の目利きが良くなかったのかと自分自身を責めてしまい、精神的にも負担が大きいです。
また、新しく入職した職員を考慮し、シフトなどの計画を組んでいたのに離職されてしまうとその穴埋めを誰かがしなくてはならなくなり、埋め合わせをした職員が疲弊してしまう。現場の職員のフラストレーションの矛先は管理職や採用担当となります。それを抑える為に再び取り敢えず採用を行いまたすぐ離職してしまう。
この悪循環を繰り返すことにより職員の不満も募り、これまで頑張って働いていた大切な職員も失いかねない状況になります
このような状況を防ぐ為にも人手不足に焦り、取り敢えず採用を行うことは危険であると言えます。
採用を成功に導く為には、どのような人材を獲得したいのかを明確にし、戦略を立てることが必要なのです。
第3回では、採用における戦略についてお伝えします。