前回は現状分析、ターゲットの決め方について説明しました。
最終回となる第4回目の今回はマーケティングで使われる行動モデルに沿ってどんな施策を取っていくのかについて説明をしていきます。見出しの番号は前回からの続きとなっています。

③施策を考える

いよいよ施策を考えるところまで来ました。施策の立て方をマーケティングで使われる行動モデルDECAXで解説します。
DECAXは「発見する」、「仲良くなる」、「確認する」、「行動する(応募する)」、「体験する・共有する」を表す英語の頭文字をとったものとなります。
マーケティングに使用される行動モデルは他にもいくつもあるのですが、現代の採用のあり方を考えるとこのモデルがよりフィットすると考えています。
それぞれの段階から施策を考えていきましょう。

発見する

画像1

インターネットやスマートフォンが普及している今日では求職者仕事を探す時に検索を行います。求職サイトを利用している方もいることでしょう。
まずは発見してもらうこと、知ってもらうことから始まります。

ネット上で発見してもらうには、自社のサイトは勿論、求職者向けのサイトに登録や、Googleおしごと検索やindeedなどに表示されることなどを考えられます。自社サイトや求職者向けサイトはご存知の方が多いと思うので、Googleおしごと検索について説明します。

Googleおしごと検索はGoogleが提供する仕事検索サービスです。このサービスに表示させる複数の方法があります。1つはGoogleしごと検索に対応している求人情報サイト等を利用すること。もう1つは採用・募集に使用しているWebページの構成をGoogleが指定する作り方でWebページを制作することです。後者の場合、Web制作などの知識が必要となってきます。Web制作をお願いしている方にご相談されてみてはいかがでしょうか。

検索から仕事探しが始まる時代。求職者に気づいてもらえる仕組みを用意する必要があります。

仲良くなる

画像2

次に求職サイトなどを通じて知って法人や施設のことを知ってもらったら、今度は仲を深める為の施策が必要です。
この段階で活躍するのが自社のWebサイトやSNSを通じた情報の発信です。WebサイトやSNSの更新は定期的に行っているでしょうか?例えばもう何年も更新されていないサイトを見たら不安になりますよね。しっかり更新を行い、施設のことをよく知ってもらうことが大切なことなのです。

また採用コンテンツの充実も日々の更新に加え大切です。
「発見する」の段階では転職情報サイトなどの決められたフォーマットで他の施設と求人情報と比較されることがほとんどです。これではなかなか求職者に伝えたいことが伝えられず、ネームバリューや条件で選ばれてしまいます。
採用コンテンツを充実させることで、「この施設は雰囲気がいいな」や、「知名度こそ低いけれどしっかりとした施設で安心ができる」と思ってもらえるようになります。

具体的なコンテンツとしては職員の方のインタビューの掲載や採用担当者から求める人物像などについて語ってもらったメッセージなどです。
コンテンツを作る時のコツは、自分が求職者のつもりになってどんな情報を知りたいかを考えることです。仕事のやりがいや職員の雰囲気など知りたいことが沢山あると思います。そして可能な限り伝えたい内容を言語化しましょう。

この段階で施設や法人の雰囲気などをしっかりとアピールすることでマッチするかしないかを求職者に考えてもらう意味もあります。法人や施設の理念や方針に合った人に時間や手間などのコストを削減する効果も期待できます。

また、普段から介助のコツなど介護の仕事に従事する方の為になる発信をすることも有効です。転職したいと考えた時に真っ先に候補として施設や法人の名前が浮かぶ状態を作り、Webサイトのファンにすることで、仲良くなるということも良い手段です。

確認する
ここまでの施策で仲良くなったら求人の情報やしっかりこの施設で働けるのかなどを確認する段階になります。
この段階の施策としてはWebサイト上で入職後の待遇を伝えたり、Q&Aを作ったりするのはどうでしょうか。不安だなという要素に対し予め解決してあげるのです。
例えば「お休みは取りやすいですか」「育休を使って職場復帰した人の割合は」ですとか。これまで実際の説明会などで多く受ける質問をもとに作成しても良いかもしれませんね。
応募前の不安をなくしてあげるのがポイントです。


アクション

画像3

応募の段階です。
ここでは応募フォームを分かり易く作ることなどが求められます。
応募フォームのフォントの大きさや項目の数を調整などを行い離脱を防ぐ応募フォームを用意いしましょう。

無事応募をしてもらえたら、求職者との施設見学や説明会、面接などのリアルなコミュニケーションが始まります。ここまでの施策をしっかり行うことができているのであれば、Webサイトや雇用条件に書いてある様な説明ではなく、施設の雰囲気や職員の雰囲気を伝えましょう。コミュニケーションを取る中で「こんな人を採用したい」と伝えることが大切です。

求職者が目指す介護と法人が目指す介護がマッチしているかを相互で確認することが、実際に求職者が入職後に長く活躍できるかに直結します。
またこの直接話す機会でも、求職者からの質問に答えることで安心と納得を提供できます。

体験・共有
体験・共有とは採用においては実際に入職した後に入って良かったと思えること。入って良かったから知り合いも誘ってみようかなという段階です。

この段階での施策としては入職後も活躍できるということを発信、入職した人に実際にメッセージを作ってもらうこと、また知り合いに声を掛けて入職してもらうリファラル採用の整備することです。
外部の採用エージェントサービスを使用するコストの削減や知り合いと同じ職場だからこその安心感が期待できます。

ここまでDECAXという行動モデルに沿って適切な施策について解説を行ってきました。求職者の職場探しから入職後までの行動の流れを意識し、それぞれの段階で適切な施策を講じることで、求職者の心を掴みましょう。

まとめ

4回に渡り「介護の採用は希望で溢れていると思う」と題して、普段クライアントとお仕事をする中で考慮していることなどを基に、実は介護の採用にはチャンスが多いのではないのかという考えや求職者を獲得していく中で考えるべきこと、施策について記してきました。

ネットやスマホが身近になり、就職活動や求職者とのコミュニケーションの方法も変化しています。従来のやり方が通用しなくなっているのも事実です。
採用活動は体力も使いますし、方法が分からず闇雲に行っている方も多くいらっしゃいます。
介護の採用で悩まれている方がいらっしゃったら力になりたいと思います。

介護の採用はキラキラした希望で溢れているし、そのキラキラをきっと掴めると思っています。「介護の採用は希望で溢れていると思う」のシリーズ連載は今回で終了しますが、介護の応援ジャーナルで介護の広報や採用に関する情報は発信していきます。是非登録して記事を読んでいただければ幸いです。

前の記事、後の記事

«
»