最近、イランの映画『別離』を観ました。介護や認知症が関わってくる映画なので、介護業界の方にも響くかもしれないと思い、ご紹介いたします。

映画【別離】の相関図

あらすじ

 イランにナデルとシミンという夫婦がいました。アルツハイマー型認知症を患うナデルの父親と、一人娘テルメーの4人で暮らしていました。しかし、ナデルとシミンは、外国に住むかどうかで意見が対立し、離婚の危機に立たされていました。ナデルの妻シミンは、夫と娘の3人で外国で暮らしたいと考えていました。しかし夫のナデルは父親を置いて出国することを心配し、反対します。意見の対立の末、シミンはいったん実家に帰ることになりました。

 ナデルは父親の在宅介護のため、ラジエーという女性を雇います。しかしラジエーは勤務時間中にナデルの父親を放置したまま抜け出していました。怒ったナデルはラジエーを突き飛ばすようにして家から追い出します。実はラジエーは妊娠していました。彼女はこのとき突き飛ばされた衝撃で流産したと主張します。そしてナデルとラジエーの諍いは、双方の家族をも巻き込んだ裁判沙汰へ発展するというストーリーです。

あとがき

 『別離』は、離婚、介護、家族との関係、裁判と、様々な事柄が絡む映画です。作中で、ナデルは自分が抱えている問題の重さに耐えきれなくなり、父親の傍らで涙するシーンがあります。このときの彼の心情は察するに余りあります。国が違えども、人生における苦悩は変わらないのだと感じさせる映画でした。ぜひご覧ください。

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