概要
今回は渡辺謙主演の【明日の記憶】という映画をご紹介します。
若年性アルツハイマーとなった男性(渡辺謙)の苦悩と、彼を支える妻(樋口可南子)との関係を、情感豊かに描き出した名作です。
感想
涙なくして観ることができない映画です。
渡辺謙演じる主人公の佐伯の視点から、若年性アルツハイマーがどういうものか描かれる点が秀逸です。そのため視聴者は自分も主人公の苦悩を疑似体験できる感覚に陥ります。
結婚式のシーンが泣ける
今作には名シーンがたくさんあります。個人的に印象に残ったシーンの一つが、佐伯の娘の結婚式のシーンです。父親である佐伯が主賓の挨拶を任されます。しかし、彼は本番直前になって挨拶のメモを無くしてしまいます。若年性アルツハイマーの進行が始まった彼は、メモ無しに話すのは困難です。それでも彼は、メモ無しでたどたどしくも率直な自分の想いを語るのでした。それは、むしろメモが無かったからこそ出た彼の心からの言葉なのでした。そんな彼の姿に私も涙を禁じ得なかったです。
今作は人間の尊厳や家族など周囲の人々との向き合い方など、様々なことを考えさせられる名作です。ぜひご覧ください。