突然ですが、エゴサーチってやってますか?そうです。Google等で自分の名前やニックネームを検索することです。余談ですが、英語ではエゴサーチという呼ばれ方の他にエゴサーフィンとも呼ばれます。悪い噂を見てしまったら波乗りどころじゃないですよね。
前置きはこんなところで今回は貴方の法人や施設がどう思われていますかというお話です。
自社や自社のブランド、従業員などについてどう思われているかを特定し分析することをマーケティング用語でソーシャルリスニングと言います。
言い換えれば企業・法人のエゴサーチをしてその情報を分析することなんです。
今回はそのソーシャルリスニングの簡単な方法と介護業界にソーシャルリスニングを当てはめた時にどう活用するかについて解説を行います。
目次
ソーシャルリスニングを行うことの目的
ソーシャルリスニングの目的は大きく分けて3つあります。
①法人(施設)がどう思われているかを知る
②風評被害・偽の情報対策
③会話に参加するきっかけを作る
上記の3つの目的について1つずつ解説を行っていきます。
①法人(施設)がどう思われているかを知る
まずソーシャルメディアの基本である法人(施設)、職員、サービスがどう思われているかを知ることです。
ネット上で貴方の法人がどう思われているかを知るということそのものを知るということがまず大切なのです。
ポジティブな言葉が多くあればそれは貴方の法人や施設、職員が多くの人に好かれている指標の1つになります。
また残念ながらネガティブな言葉を見つけてしまった時は、改善することで法人(施設)がより良くなるきっかけにもなります。
②風評被害・偽の情報対策
ネットでは匿名でも発信することができるので、言論が過激になったり、真偽不明の情報にアクセスしてしまう可能性が誰にでも起こり得ます。
フェイクニュースという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
例えば、「職員の態度が悪い」「施設の雰囲気が悪い」などと根も葉もない噂を知らない間に知らない人に流されていたとしたら、ゾッとしませんか。
自分の所に情報が回ってきた頃には時既に遅し、偽の情報が拡散した後だったりすることもあります。
また、貴方の法人にとって不利益な情報がソーシャル上で拡散され炎上してしまうかもしれません。
炎上被害が大きくなってからでは事態の収集に大変な労力と時間がかかります。
しかしソーシャル上のパトロールを行い、早めに危険を察知することができたら対策を講じることで被害を最小限に留めることが可能かもしれません。
例えば弁護士や警察に相談することや、法人内部で情報の真偽について調査を行うことが可能です。
③会話に参加するきっかけを作る
ソーシャルリスニングで貴方の法人についてSNS上で語られる時にその会話に入ることで、より貴方の法人を好きになってもらうきっかけを作ることができるかもしれません。
例えば学生が合同採用説明会で「(法人名)の説明会に行ってきた」と発信していたとします。その際にソーシャルリスニングでその投稿を見つけて採用担当者が「本日はお越しいただきありがとうございました。今度は施設の見学会もありますので是非お越しください」と返答し、その学生と仲良くなれるかもしれません。
またそのSNS上のやりとりを見ていた別の学生が親切な法人だなと思ってくれるかもしれません。
貴方の法人について言及された時は会話に参加することで相互理解のきっかけを作り、より愛されるブランド作りのチャンスなのです。
ソーシャルリスニングのやり方
どのようにソーシャルリスニングを行っていくかについて説明を行います。
方法はいくつかあり、口コミなどについてモニタリングを行っている会社にコンサルティングを依頼する。検索エンジンで片っ端から探すということも1つの方法です。
しかし今回は簡単にできる方法を紹介します。
実はソーシャルリスニング支援ツールを使用すれば自社についてソーシャル上で言及されているかを確認することが可能なのです。
ツールも無料で使うことができるツールから有料なものなど様々あります。
今回は無料で使用することができ、シンプルで使い勝手が良いツール「Social Searcher」を紹介します。
まず初めに「Social Searcher」(https://www.social-searcher.com/)にアクセスします。
次に検索窓の上に「MENTIONS」を選択し、検索窓に貴方の法人の名前や施設を入力し、検索窓をクリックして検索をかけます。
場合によっては少し時間がかかるかもしれません。
すると検索したキーワードに言及されているソーシャルネットワーク上及びWeb上の情報を見つけることが可能です。
言及された情報の中で気になるのがあった場合、情報の右下にあるメニューマークをクリックします。
右から3つ目にオリジナルのポストに飛ぶ為のリンクがあります。そこをクリックすることでオリジナルのポスト、ページに飛び、詳細などを確認することが可能です。
注意するべきはサイトに登録しない場合、一日の検索回数が限られていることです。たくさん調べ物をしたい方は登録(無料)することをお勧めします。
このようにツールを使用することで簡単に言及されている内容を把握することが可能です。
次に言及されていた内容を解釈し、分析する
言及されている内容を把握したら、その内容について解釈し、分析を行います。
まず初めに注目するところはどこでどのような人が貴方の法人について言及しているのかです。
例えば法人では情報発信の手段としてFacebookを使用しているが、調べて分かったのがよく言及されていた場所はInstagramかもしれません。
その場合にはInstagramの活用も検討し、情報発信の場所を広げることで法人や施設に親和性の高い方とのコミニュケーションが可能になるかもしれません。
またどのような方が情報を発信しているかも確認しましょう。
例えば利用者の家族が定期的に発信しているかもしれません。また職員が職場や仕事のことを発信しているかもしれません。
それらの情報は施設や法人が利用者の家族や実際に働いている職員からどう思われているかを知るヒントになります。
利用者やそのご家族、地域の方の発信でポジティブな言及内容を見つけた場合は、法人の長所や働かれている職員様の頑張りが周りから認められていると言えるでしょう。
どのような取り組みをすれば周りの人が好意的に貴方の法人を受け取ってくれるのかを考えるヒントになります。
また、その逆に不満の声がソーシャル上で見受けられる場合は、その内容の真偽を確かめ、法人運営のあり方を見直す機会になります。
また、職員と思われる投稿で不適切な投稿を見つけた場合は炎上を防ぐ為にネットリテラシーについて教育を行うべきでしょう。
SNSやネットは使い方によっては善にも悪にもなります。なので一概に禁止にした方が良いとは私は考えません。
SNSで職場の良いところや仕事の働きがいなどを自発的に発信している職員様もいらっしゃるかもしれません。そういった使い方はこれからの採用活動において重要性を高めてくると思います。
貴方の法人について言及している人と言及されている場所について把握した後にその内容を理解し分析を行います。
このパートで行うのは言及された内容からインサイトを掴むことです。インサイトとは様々な定義がありますが、今回は簡単に「人の心の奥深いところにあるスイッチ」ということにしましょう。
やっかいなのはこのスイッチは見えにくいことです。だからソーシャルリスニングで発見したソーシャル上で言及された内容から想像力を働かしそのスイッチを探してあげるのです。
インサイトを掴む例として流行りのドリンクを挙げましょう。タピオカドリンクが若年層の女性を中心に流行っています。SNSでも沢山のタピオカに関連した投稿があります。その投稿を見た時に、タピオカの味にしか目に行かない場合、インサイトを掴むのは難しいでしょう。
目の付け所はSNSとシェアしたくなるタピオカドリンクの可愛らしい見た目です。つまりこの場合のインサイトは必ずしもタピオカの味ではなく、可愛らしいアイテムを持つSNS映えする自分を見て欲しいですね。つまりタピオカドリンクの味ではなくSNSで撮影したくなるアイテムを考えた時に虹色の牛乳かもしれません。
実は現場で働かれている職員様こそ、インサイトを捉えるのが得意なのではと私は密かに思っていて、その理由としては施設の利用者との向き合う中で、声にならない声を聞く力が養われているのではないかと考えるからです。どうすれば利用者は喜んでくれるだろう。そう考える気持ちがインサイトを見つけるヒントになるのです。沢山の投稿の中からインサイトを見つけるのは時間と労力がかかるかもしれません。しかし見つけることができたインサイトは法人や施設の運営のヒントになるでしょう。
まとめ
この記事では法人や施設がどのように思われているのかを知る手がかりとしてソーシャルリスニングの紹介を行いました。
ソーシャル上で言及された内容について知る為のツールの紹介や言及されている内容を施設の運営に活かす方法。また更に高度なインサイトの掴み方まで今回お話しました。大きな施策を行う前と後でソーシャルリスニングを行い、比較してみるのも良いかもしれません。
また、応用としてこの手法を通じて競合がどう思われているのかを調べるというの良いでしょう。ネットやSNSが発達した今だからこそ、聞きやすくなった声に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか。